菜の花は、カブ、大根、ブロッコリーなどと同じアブラナ科の植物。観賞用、菜種油用、食用と、用途によって品種が分かれ、食用としての菜の花が普及したのは明治時代以降と、比較的歴史が新しい食材です。春の訪れを教えてくれる食材の一つと言われる菜の花は、2月~3月頃が最盛期とされ、食べ頃としても一番の旬を迎えます。温暖で日当たりの良い土地を好む菜の花の生産が盛んなのは千葉県で、出荷量の半数以上を占めると言われています。
おいしい菜の花を選ぶときのポイントは「つぼみ」「切り口」「軸」です。
つぼみ…つぼみは開いておらず閉じているもの。
切り口…みずみずしく、しなびていないもの。
軸…茎の軸の中心まで鮮やかな緑色で中に空洞がないもの。
葉がやわらかくしおれやすいので、保存する場合はしめらせた新聞紙やキッチンペーパーなどで全体を包み、ビニール袋に入れて立てて冷蔵庫の野菜室に保存します。また、固めにゆでてラップに包み、冷蔵庫で2-3日程度保存ができます。長持ちさせたいときには、固めにゆでて水気をしぼってからラップで包み、冷凍がおすすめです。
菜の花は非常に栄養価が高く、カロテンやビタミンB群、C、カルシウム、カリウム、鉄など、多くのビタミンやミネラル類、食物繊維が豊富で、貧血や高血圧の予防や便秘改善などに役立ちます。また、独特の辛味や苦み成分も健康や美容に役立つ効果を発揮します。
【葉酸】
菜の花の葉酸の含有量は野菜類の中ではトップクラス。葉酸は胎児の生育や貧血の予防に必要な栄養素。最近では脳や骨、血管に対する効果の研究も進められています。葉酸は水に溶け出てしまうため、蒸す・炒める方が効率よく摂取できます。
【イソチオシアネート】
辛み成分であるイソチオシアネートは貧血予防や血行不良を改善させる効能があり、さらにはデトックス効果も期待されています。また近年では異常をきたした細胞の増殖を抑えることでガンの予防効果もあるのではないかと言われています。
【ケンフェロール】
菜の花の苦み成分ケンフェロールは抗酸化作用に優れ、免疫を活性化してアレルギーや風邪の予防、また脂肪燃焼効果なども注目されています。
菜の花とハムの卵炒め
①菜の花とエリンギは食べやすい大きさに斜め薄切りにする。ハムも同じ大きさに切る。
②ボウルに卵をとき、★を入れてよく混ぜ合わせる。
③フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて温め、菜の花とエリンギを入れて火が通るまで炒め、塩・こしょうで味付けをして一度皿に取り出す。
④フライパンをふき、残りのオリーブオイルを入れて温め、②を入れて箸でかき混ぜながら半熟の状態にする。
⑤③とハムを加えてざっくりと混ぜ合わせ、器に盛る。
POINT:茹でずに炒めることで水溶性のビタミンの流出を防ぎます。 菜の花に含まれるカロテンは油と相性がよく、炒めることで吸収率が上がります。