平安時代に中国から伝わったと言われているごぼう。当時は、利尿作用や解毒効果がある「薬草」として輸入されました。「牛蒡」という漢字は、ごぼうのひげ根が牛の尾に似ており、それに草の名前の「蒡」がついてできたと言われています。日本人にはなじみ深いごぼうですが、世界的に見てもごぼうを食品として食べる文化があるのは日本と韓国のみ。こんなにも一般的に広く食べられているのは日本だけと言えます。収穫量のトップは青森県。全体の約4割を占めています。県内でも産地は太平洋側に集中しており、これは夏に「やませ」と呼ばれる冷たい風が吹き、冷涼な気候を好むごぼうの栽培に適しているためです。そのほか、茨城県や北海道でも多く生産されています。
おいしいごぼうを選ぶときのポイントは「土つき」「太さ」「断面」です。
土つき…土付きの方が長持ち。また風味も長持ちする。
太さ…10円玉くらいの太さの中くらいのもの。
断面…断面を見て中に空洞があるものは避ける。
ごぼうは土付きのものの方が保存期間は長く、冷暗所なら1ヵ月、冷蔵庫なら2ヵ月は保存できます。保存は新聞紙に包んで立てて保存します。冷蔵庫は適度な大きさに切り分けて入れます。
食物繊維。と言えば真っ先に思い浮かぶ野菜の一つであるごぼう。その他にもカリウムやマグネシウムなどのミネラル分も豊富です。皮にも栄養が含まれているので、皮を剥かずにたわしなどでこすり洗いする方がおすすめです。また、水につけている時間が長いと栄養成分や風味が抜けてしまうので、あく抜きは手短に行いましょう。
【イヌリン】
ごぼうに含まれる水溶性食物繊維のイヌリンは腸内細菌の餌となり腸内環境を整えるだけでなく、脂質の吸収を抑制したり、血糖値の上昇を抑えてくれる効果が期待できます。
【リグニン】
一方のリグニンは不溶性食物繊維。便のカサを増したり、腸の動きを促進するなどして便通を整える効果が期待できます。また、便のにおいを改善するという研究結果もあります。
【カリウム】
ごぼうにはカリウムも多く含まれています。カリウムはとりすぎたナトリウムを体の外に排出してくれる働きがあるので、血圧が気になる方にもおすすめです。
ごぼうと秋野菜の味噌汁
①ごぼうは包丁で皮をこそげて洗う。ささがきにし、水に5分ほどさらし、水けを切る。にんじんと玉ネギは斜め薄切りに、しめじは石突をとり小房に分ける。
②鍋にごま油大さじを中火で熱し、①を入れてさっと炒める。だし汁を注ぎ、煮立ったら弱火にして、3~4分煮る。
③火を止めてみそを溶き入れ、いりごまを指でつぶしながら加える。
④器に盛り、好みで白いりごまと七味を適宜(分量外)をふる。
POINT:野菜を油で炒めることでこくのある味わいになります。食物繊維は油と一緒にとることで便のすべりをよくするのでお通じ改善にも効果的です。