西武池袋線・秋津駅南口から徒歩3分、武蔵野線・新秋津駅から徒歩6分。閑静な住宅街の一角にある酒田クリニック(酒田一秀院長と兄弟で診療)の出入り口からは頻繁に患者さんが出入りしているのが見える。玄関に置いてある靴の多さから、人気の高さが伺えた。患者層は20代以下から90代までと幅広く、前身である酒田内科クリニック時代から20年近く通院されている患者さんもいるという。土日も診療時間を設け、内科・心療内科以外にも漢方内科や老年内科など複数の専門科目を掲げているクリニックでは患者さんの様々な悩みに対応している。酒田医師の穏やかな声で呼ばれて診察室に入っていく患者さんの表情には緊張した様子はなく、診察前後に受付でスタッフから説明を受けている際の親しげな雰囲気も印象的だった。「かかりつけ医」という言葉がぴったりと合う酒田クリニックの診察について副院長の酒田医師に詳しく話を伺った。
「診察のときはその人が訴えている症状だけでなく、他に体の調子の悪いところはないか、生活の中でいつもと違うところがないかなど。全身の状態や生活状況についても聞くようにしています。例えば『喉の痛み』で患者さんが受診された場合、一時的な症状であれば薬の処方とその経過観察だけでも対応できます。しかし、仕事の忙しさから休養が取れず免疫力が落ちているのか、それとも食事のバランスがとれていないせいなのかなど受診の背景にある様々な事柄も含め総合的にその人の健康状態を同時に診るということが大切だと思っています。」と、酒田医師は話す。漢方を含む保険診療だけでなくサプリメントなど自費の治療法も積極的に取り入れているという。どちらかに偏るのではなくその人に合った治療法を考え、経過を見ていくという診療方針が長く地域で愛されている理由とも言えるかもしれない。
「一方向的に診察するというより、患者さんから悩みを聞き出しそれに対して答えていく『相談』に近いかもしれませんね。他の病院に紹介をした患者さんがまた当院に戻ってきて通院を再開することも多いです。」
サプリメント外来も行っているが、効果を実感するためには日々の生活や食事が基本になるため食事の指導も治療の大切な一環だ。これについて酒田医師は、「肥満気味や糖尿病、またその予備軍の患者さんの受診も多いです。そういった方々には、一日の始めである朝はしっかり食べ、夜はカロリーや糖質を控えることをお勧めしています。『楽しみを翌朝まで持ち越す。』という心持で取り組むよう患者さんにはお話していますね。」と、話す。クリニックのサプリメント外来はマルチビタミンやミネラルなどのベースとなるサプリメントと、疲労回復などに効果のあるアミノ酸や腸内環境を良くする乳酸菌など各自の症状に合わせたサプリメントを組み合わせて使用している。次々と新しい商品の研究や開発が進む中、学会や研究会へ積極的に参加し情報を収集することも欠かさない。
「絶えず情報は変わっていますし、同じ患者さんであっても時間の経過によって病状も体の状態も生活環境も変わっていきます。目の前の病だけでなくその人の生涯に関わるという心構えで患者さんと向き合っていますね。」と、酒田医師はほほ笑む。
長時間の診察の後にも関わらず、終始和やかな笑顔で取材に応じてくれた酒田医師。その人柄も、多くの人がこのクリニックに通い続ける理由であろう。
副院長 酒田 昭彦 医師 東京都出身。東京慈恵会医科大学卒業。ドイツのハイデルベルグ大学留学を経て前慈恵医大病理学講座教授、葛飾医療センター病院病理部診療部長を歴任。現酒田クリニック副院長。 内科・心療内科・漢方内科・皮膚科・小児科・老年内科・病理診断科・リハビリテーション科を担当。 |
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医療法人社団医心会 酒田クリニック 東京都清瀬市野塩5丁目280-2 電話 042-496-7328 |